入試直前期をどう過ごすか――保護者の支えが子どもの力に変わる

こんにちは。
教務部長の佐久間です。

入試直前期になると、保護者の方から「この時期は少しペースを落とした方がいいのでは?」というご相談をよくいただきます。確かに世間では「直前期は調整だね」と言われることもありますが、私は少し違う見方をしています。むしろ、この時期こそがラストスパート。ここで気を抜いてしまうと、積み上げてきたリズムが崩れやすいのです。入試は体力勝負ではなく「頭を使う勝負」。最後まで机に向かう姿勢を保てるかどうかが、勝敗を分けるのです。

もちろん、お子さんも不安になります。これは誰もが通る道です。そんなときに「大丈夫だよ」と声をかけるより、「じゃあ1問やろうか」と促す方が効果的です。不安は考えていると増えますが、手を動かすと減ります。「これだけやった」という事実の積み重ねが、そのまま自信になるのです。だからこそ、「ここまで頑張ってきたんだから大丈夫だよ」という一言が、子どもにとって大きな支えになります。

直前期にありがちな「新しい問題集を買ってしまう」行動も注意が必要です。新しいものは安心より不安を呼び込みやすい。むしろ、これまで取り組んできた問題をもう一度解き直し、「確実に取れる」と確認する方が、得点にも気持ちにもプラスになります

生活リズムも忘れてはいけません。試験は朝9時スタートが多い。夜遅くまで頑張るより、少しずつ朝型に切り替え、その時間に頭が動く状態を整えることが大切です。朝食も同じです。「ちゃんと食べていきなね」という一言が、子どもの安心につながります。

さらに、当日の持ち物や行き方の確認も大切です。「一度一緒に確認しておこうか」――これだけで本人は安心します。雪が降ったら?電車が止まったら?少し想定しておくだけで余計な心配が減り、試験に集中できるのです。

そして最優先は体調管理です。手洗い・うがい・マスク、家族みんなで徹底すること。寝る前のスマホも控えめに。眠りが浅くなると翌日の集中力に響きます

最後にひとつだけ。入試は「奇跡が起きるかどうか」ではありません。「これまでやってきたことを、ちゃんと出せるかどうか」です。そのための環境づくり――安心できる空気、いつもの生活リズム、体調管理。これだけで子どもはずっと戦いやすくなります。

ここまで積み上げてきた努力は、必ず力になります。保護者が信じて支えること、それが最後の一歩を踏み出す力になるのです