入試の範囲が縮みます。

お世話になっております。

 

昨日、6月13日(土)の読売新聞の埼玉版に、「県立高入試範囲来月頭に」「県教育長学習状況確認し判断」という見出しがありました。

 

高田直芳・県教育長の定例記者会見によると、来春(現中学3年生が受験)に実施する県立高入試の出題範囲について、絞り込みを含めて検討した上で、7月の頭に範囲の発表があるとのことです。県教育委員会によると、12日時点でさいたま市を除く62市町村のうち、中学校が完全再開しているのは、26市町村にとどまっています。高田教育長はさらに「中学校の学習状況がどうやって通常に戻っていくのか、どれくらい回復できるのかということを含め、よく確認して考えをまとめ、お知らせしようと思っている。夏休みに入ってしまうと、子どもたちに不安を与えてしまう」とも言っています。

 

つまり、現中学3年生高校入試の範囲が、本来の範囲よりも縮むことが宣言されるわけです。

中学3年生は、3月~5月の間の10週間、学校に通えていませんので、その分入試の範囲が縮まるのは当然のことだと思います。

 

では、これは良いことなのでしょうか。

 

良いことなのかどうかは、実はこの10週間の間に、どのような学習の取り組み方をしてきたかによると思います。

 

パピルスでは、学校の休校に伴い、入試の範囲が縮むことも想定できる中で、縮まないことを前提に、カリキュラムを従来通り進めておりました。従って、子どもたちからしてみれば、6月から学校が始まりだした現在、学校の進度にだいぶ大きな差をつけて塾の勉強が進んでいることになります。学習範囲が、学校よりも大きく進んでいるのです。

そこで、もし入試の範囲が縮んだ場合、当然教科書の最後の単元から範囲が削除されることになるでしょう。学校の授業だけで学習した生徒を救済するため、おそらくこのような縮み方になると思われます。では、どんどんカリキュラムを進めたパピルスの生徒は、無駄なことをしているのか?もちろん答えは「NO」です。

 

入試の範囲が教科書の終わりの方の単元から縮むということは、パピルスの生徒が、縮んだ入試の範囲のカリキュラムを早めに終えることになります。ということは、それだけ苦手単元や、問題のパターンをやり直す機会や時間が持てることになるのです。

 

スポーツで例えると、練習の回数や機会が少ない生徒と多い生徒、どちらが早く上達することができるか。当然練習が多い生徒です。これは、勉強でも当然同じことが言えます。

問題は、「入試の範囲が縮んだ!それだけ勉強しなきゃいけない範囲がなくなった!やったー!」と喜ぶのか、それとも「入試の範囲が縮んだ!それだけ繰り返し勉強できる!やったー!」と思うのかです。前者と後者では、意識が違います。どちらの考え方をするのかで、今、その子どもの立ち位置がどれほど違うのかがはっきりとわかってしまいます。

 

したがって、入試の範囲が正式に発表されたとき、後者の考えを子どもたちにしっかりと話し、後者の立ち位置に子どもたちを立たせたいと思います。前者の位置に立とうとする生徒がいた場合、ぐいっとその子をつかんで、後者の立ち位置に連れていきます。そのくらいの気持ちで、子どもたちと接していきたいと思います。

 

羽生校 教室長 相原洋平