人は勝手に学びたがるもの

(1)人は学びたがるもの
「子どもにとって難しいことだから教えない。」このフレーズを読んで、皆さんはどう考えますか。私は、この因果関係はおかしいと考えます。

例えば、社会科。「地理」「歴史」「公民」。大人だって難しいから避ける人も多いですね。

数学や英語が難しいということは、私も理解できます。母国語とは違う記号で考えなくてはならないから。しかし、社会科は違います。母国語であり、公民(政治・経済)は、身近な問題です。それでも、子どもには難しいと考える方は、「子どもにとって難しいことだから教えない。」ではなく、「自分にとって難しいから教えない」か、「子どもに噛み砕いて教えられない」か、もしくは「政治信条・個々の解釈に関わることは、教えない」かのどれかだと思います。

テレビやインターネットのニュースを見て、「貧困ってどうして生まれるの」とか、「社会主義って何?」と子どもが大人に、いや先生に聞いたとしましょう。そのときに「あなたには早い疑問だから、もっと大きくなったらね」とか、説明にお茶を濁す教師がいたら、誠実な人ではありません。分からなければ、一緒に調べれば良いのです。

人は元来、好奇心が強く、何でも吸収しようとするものでしょう。きっと。

精子と卵子が出合って細胞分裂を繰り返して人となるのが10ヶ月ほどです。そして、この世に出て早い子だと8ヶ月、多くは1歳になったら2足歩行をし言葉を覚え始め、文字を覚え、9才には、0の概念も学ぶことになります。お腹の中に生まれて、その後10年の成長は、細胞分裂の頃から加えると、何億年、二足歩行ができるようになってからでも何百万年の人類の歴史を歩んでいることになりますね。こう考えると、子どもって凄いと思います。そんな難題をクリアしている子どもに「難しいからできない」という思考のフィルターを与えるのは周りの大人と環境でしょう。少なくとも私はそう考えて子どもに接します。

(2)時事・記述・作文ゼミ
さて、サイン・ワン南浦和校の「時事・記述・作文講座」の様子をご紹介します。

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まずは、分からない言葉を書き抜きながら、新聞を読みます。そして、書き抜いた言葉を辞書で調べます。こちらは生徒が書いた調べ学習したプリントです。
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前の授業は「SDGs」の記事が課題でした。2015年に出された「2030年を年限とした17の国際目標」でした。「TICAD」も「SDGs」も共通することは「貧困」です。その貧困問題でよく出てくるワードは「経済」「資本」「資本主義」「社会主義」です。これは「貧困問題」を読み解く土台となるワードです。

「こんな話、子どもが興味を持つの」と思いますよね。興味を持つのです。それが。この授業は小3~中1の子どもが参加しています。

教師:「今日教えることは、ニュースや新聞でよく聞いたり読んだりすることなんだけど、実は、大人もよく分かっていないことなんだ。でも、よく見かける言葉であれば、大切だって分かるよね。今日学んだことを、家に帰ってお父さんやお母さんに教えてあげてね。
と言うと、子どもは少し前のめりになる。
教師:「まず、『SDGs』の記事を覚えているかな。2015年に出された『2030年までの17の国際目標』だ。
生徒:「『教育』とか『医療』とか…。
教師:「よく覚えていたね。『質の高い教育をみんなに』とか『飢饉をなくそう』とか『人や国の不平等をなくそう』などがあったね。17も目標があったけれど、その17のほとんどの課題に共通していることは何だったっけ? 」
生徒:「…。
教師:「今回の『TICAD』にも共通することなんだけどなぁ。 」

生徒:「貧困。

教師:「そう。貧困。『貧しくて困る』と書くが、『困る』なんていう生易しいものではなく、『貧しくて生きていけない』というのが正しいのかもしれない。その貧困の原因はいくつかある。環境もその1つ。生まれた環境が砂漠だったら生きていくのも大変だものね。原因はいくつかあるが、その土台となる考え方を伝えておく。さて、あなたが貧しい家に生まれて、日々の食事が出来なかったら?

生徒:「それは嫌だな~。

教師:「それは、そこに生まれたあなたに責任があるかなぁ?

生徒「ないと思う。」

教師「皆さんは、塾に通えるので、比較的裕福な家庭で育っているから、知ろうとしなければ分からないが、貧しい家庭だってある。そこに生まれた責任は子どもにはない。また、努力しても、その貧しさから抜け出せない環境であれば、その親の責任でもないということは分かるかな。」

 生徒「分かります。」

教師:「『SDGs』も『TICAD』もそういう考えから生まれたものでもあるのとも理解しておこう。それに、今回の新聞にも書かれていたけれど、貧しくなくなれば、現在豊かな国が作ったものを買ってくれるかもしれないし、お互いに研究してもっとよいものや社会ができるかもしれない。対等な仲間となり、さらに経済が発展するかもしれない。
さて、今、『経済』という言葉が出たが、よく聞くね。これは大人でも説明ができる人は少ない。では、A君。辞書で調べたことを言ってみて

生徒:「『人間の生活に必要なものを生産・分配・消費する行為についての一切の社会的関係』です。」

教師:「A君もみんなも経済の説明は分かったかな?」

 生徒:「分かりません

教師:「辞書で調べても、また、調べた内容を調べなくてはならなくなるんだよ。本当はこの『調べる』って大切な事なんだ。しかし、時間が限られているから、先生が噛み砕いて説明するね。
(3)終わりに
 週に1回、限られた時間の中で、気づき、考え、調べ、そして、自分の考えを作文にかけるように指導しています。11/29(金)17:30~19:00の小学生とその保護者様対象の国語力アップ講座の席が、まだ2席残っています。ご興味がある方は、ご遠慮なくお問い合わせください。