「問題(穴あけ)が解けません。」
問題
64個の小さい立方体を積み重ねて,大きい立方体をつくり,
この大きい立方体に向かい側までつき抜ける穴を黒丸の位置からあけることにします。
このとき,1つも穴があいていない小さい立方体は何個できますか。
…から始まったある人との会話をのせます。
外から見えない部分がわからないという話。⇒
モノづくりって外から見えない部分もしっかり作るんだよね、という話⇒
日本で働いている労働力人口の6人に1人が製造業、という話。⇒
それから車の設計の話になりました。
「今はコンピューターが誤差を修正してくれるけれど、
昔は全部人間の力だったからさ。
きっと一人一人が見えなきゃいけなかった部分てずっと広かったよね。
すごいよね、昔の人って。
だって自分の引いた図面に誤りがあって、誰も気づかなかったら、
最悪その間違った立体模型が自分の目の前に現れるんでしょ。
どんな小さな誤差でも、自動的に修正してくれる機能なんてないから。
今、機械がなんでもやってくれるよ。こーゆーのとか。」
そう言って見せてくれたスマートフォンには、
サーモグラフィーのような画面が写っていました。
熱温度によって各所の色が変わる。
そういえば天気予報の降水確率も、
こんなふうに色分けされてるなぁ。
その画像は、
全体的に緑がかった車のかたちをしていました。
「こうやって一個の物質を細かいブロックに分けて、
どこにどう力がかかっているのかをコンピューターが
瞬時に分析してくれんの。」
力が大きくかかっているところは赤、オレンジ、黄色。
力が少ないところほど青っぽい色になる。
「さっき話してたパズル道場の穴あけじゃないけど。
こうやって、表面からは見えない部分を分析することは、
何をつくるにしてもついて回るよね。
昔の人はさ、
それこそ消しゴムの山を作りながら図面を引いたこともあったんじゃないの。
今コンピューター上で変な(立体的にするとありえない)線引いたら、
瞬時にエラーメッセージ出てくるからね。」
話を聞いているうちに、
昔の技術職人さん独特の凄みのようなものを感じて、
ほれぼれしてしまいました。
パズルをやりたての子を見ていて思うことは、
やはり立体のものを平面として見る力が弱い。
いわば製品になる前段階の模型を見る力が弱いのでしょう。
ただ、前回記したように、
そこは才能でもなく、教わるのでもなく、トレーニングによって身につく分野です。
何度も同じような問題を繰り返し、生徒が
「教具を使わないで頭のなかだけで解いてみる」
といった時の嬉しさと言ったら。
感覚的な物言いで申し訳ないですが、
そこが備わっていることは人間としてカッコイイと思います。
そうです、そういう技術職人気質(?)のパズル道場生もみんなカッコいいです。
大切なことなので二度言います。パズル道場生はみんなカッコいいです!